
2009年06月16日
明ケわたシ←安倍安人 と 大木裕之 と彦坂尚嘉 と梅谷幾代


安倍安人さんは、古田織部など古陶に対する深い見識と美的感覚を持もっておられます。
独自の研究をされることで、独創的な焼成による実にオリジナルな創造的な作品を生み出しています。
安人さんの作品は、彦坂尚嘉さんも非常に高く評価されています。
それに安人さんのお話はとても面白いものです。こんぴらアートでも評判でした。

13日のアーティストトークは、そんな安人さんと彦坂さんのお話から始まりました。
実は、大木裕之さんが、愛知トリエンナーレ関連企画として「実験映画の長編+大作」という企画に招聘されていて、13日午後1時から名古屋で3時間という大木さんの映画の上映その後トークのため、アルテに到着するのは予定でも21時ごろということになったのです。今回アルテでは、ネオキュビズム宣言として、絵画をやりたいということでした。実際は絵画と言葉を中心としたインスタレーションです。会期中に、展示は変化して行きます。映像も考えています。大木さんは、「映画については、まだ語られていないことが多いと思っている。開放していて、とても気持ちいいアルテの空間でネオキュビズムについて 絵画・漢字・映画についての試行を行って行きたい。」と語ってくれました。


大木さんは、場所や人との関係性の中から 描き、文字(思い)が紡がれ、それが投影されて作品としてかたちになって行きます。その場所に住み、出会った人々と関係を深め、その関係がそのまま制作に繋がっていき、また、
次々とヴァージョンが更新される原理上完成のない作品たち。そのままが生きているということなんですね。
そして彦坂さんのトマト。


これは彦坂尚嘉というアーティストを受け止めないと、作品を鑑賞できないものです。
古い日本洋画のアカデミズムの体質を持った作家であるとご自分のテキストにも書かれていますが、
中学生から美術館博物館まわりをして、国宝や重要文化財を目で暗記することをされています。つまり
本等に優れたものを自分の感覚とされている方で、ほんものを求めて、まがい物に妥協を許さない方なのです。
最近の独自の芸術分析やアートの格付けといった発言など、常に美術界に問題提起をされる話題の方でもあるのです。
トークの始まりから、名前で書く、発言するということは、『腹を切る覚悟を持っているのです』と話されました。
私からみて今回の3作家は
どなたも覚悟を持っている方たちだと思えます。熱さに共通性があったのです。
それでこのような3人展となりました。どうしてこの3人なのと特に美術関係者に問われましたが
そんなこと、眼がよければ聞かなくても解るはずだと思ったのです。
只今は、とっても素敵なアルテの空間ですよ。8月末まで 毎日この展覧会を見続けれれるという
幸福はギャラリストの醍醐味なのです。
私は、とてもとてもかっこいい3人との対話をしているのです。
