
2009年06月06日
聖書考古学

ナショナル ジオグラフィックチャンネルで、原始キリスト教といわれるグノーシス派について、大変興味深く、示唆に富んだ内容の番組がありました。ぜひご覧いただきたい内容なのです。
少しバタバタしているので、感想は後日書きます。さくっとご紹介、興味があれば、さらに調べてみてください。
宗教と私たちの思い込みの過ち、世界のあり様に暗澹たる思いがしますが、これを見つめて乗り越えなければならないと感じました。またナショナル ジオグラフィック協会のような活動に希望を見出します。
パンドラの箱の中から最後に希望が生まれたように・・
事の起こりは、
2006年4月
ナショナル ジオグラフィック協会の支援のもと、エジプトで発見された1700年前のパピルス文書の鑑定と修復、英語への翻訳が行われました。この文書は、「ユダの福音書」の現存する唯一の写本であり、歴史を研究する上での最も重要な手がかりの1つといえる資料となっています。
イエスを裏切ったイスカリオテのユダが実はイエス・キリストの弟子の中の誰よりも真理を授かっており、「裏切り」自体もイエス・キリスト自身が主導したものであるという。イエス・キリストの生きた時代は、様々な宗教が盛んに興り、その中の一宗派だったこと。
また裏切り者ととして、悪の象徴とされる経緯と、聖書の読み違えによるユダ=ユダヤ人迫害にいたる経緯などです。
ユダの福音書発見の経緯
1978 エジプト中部のある洞窟にて盗掘者がある写本を発見。詳細な場所は不明。 1980 カイロの古美術商ハンナ(仮名)に売却。のち、盗難に遭う。
1982 ハンナがスイスのジュネーヴにて写本を取り戻す。
1983 ハンナは3人の大学研究者に対し300万ドルで購入するよう交渉、決裂する。その3人の中にスティーブン・エメル(ドイツミュンスター大学古代パピルス文書研究者)がいた。
1984 ハンナ、ニューヨークシティバンク貸金庫に写本を16年間保管する(かなり劣化)。
1999 古美術商ディーラーのフリーダー・チャコスがハンナより30万ドルで写本を購入エール大学に調査を依頼。
2000 エール大学がチャコスに写本はユダの福音書であると報告。
2000 米国の古美術商ブルース・フェリーニが写本を購入。フェリーニは写本の一部を売却し、残りを冷凍保存する(この処理によりさらに劣化)。
2001 写本の購入代金を払えずフェリーニはチャコスに写本を返却。写本はマエケナス古美術財団の所有になる。
2002 スイスのジュネーブにおいてユダの福音書の復元作業を開始。プロジェクトの主なメンバーは以下のとおり。
ロドルフ・カッセル(スイスジュネーヴ大学コプト語学者)
マービン・マイヤー(米国チャップマン大学ナグ・ハマディ文書研究者)
スティーブン・エメル(ドイツミュンスター大学古代パピルス文書研究者)
フローレンス・ダーブル(アトリエ・ド・レストラシオン古文書修復専門機関責任者) 2004 フェリーニが売却し紛失させたページが発見される。
2006 復元作業が完了。全体の85パーセントが復元された。
*ナショナル ジオグラフィック協会とは・・・
1888年1月13日
ワシントンD.C.の由緒ある社交クラブ、コスモス・クラブに33人の設立者によって、ナショナル ジオグラフィック協会は、地理学の普及のための協会として、設立された。